公益財団法人かかみがはら未来文化財団

ふれる

【活動報告】R4.6.18 / 山崎バニラの活弁大絵巻 ㏌ 村国座

2022.07.07

2022年6月18日(土)
かかみがはら未来文化財団、初となる自主事業企画
『山崎バニラの活弁大絵巻 ㏌ 村国座』を開催しました。

※公演の概要はこちらから


本公演では、活動写真弁士として活動する山崎バニラさんをお招きし、「活弁」という映画文化に「ふれる」ことを目的としています。

今回の公演では、通常は「昼の部」・「夜の部」を同じ内容で行うところを、
初の試みとして異なる内容でお届けいただきました。

ー昼の部 | 忍術編ー
1.活動写真 いまむかし
2.豪傑児雷也
3.キートンの探偵学入門

ー夜の部 |バディ編ー
1.争闘阿修羅街
2.ローレル&ハーディ2本立て 山羊の失恋/リバディ

会場は国指定重要有形民俗文化財「村国座」
中へ一歩入ると、木の香りが迎えてくれます。
静かな空間に包まれるなか、公演が始まります。


山崎バニラさん、花道から登場!

昼の部・夜の部ともに、舞台下手の本花道から山崎バニラさんが登場しました。
正面ではなく、後ろからの登場に驚いた方も多いのではないでしょうか?

昼の部|忍術編

昼の部では、”活弁”を初めて見る方に向けて、
映画の歴史から、どのようにバニラさんが活弁士になったかなど、お話いただきました。
なんと、大正琴とピアノを使う活弁士はバニラさんだけだそうです!

続いて、『豪傑児雷也』・『キートンの探偵学入門』の2本の映画では、出演者のセリフを話すだけではなく、どのように撮影していたのか、出演者の紹介なども、裏話も交えてお話しいただきました。

夜の部|バディ編

夜の部の最初の映画は『争闘阿修羅街』。
新聞記者とカメラマンの2人が、令嬢を助けるために奮闘する様子が描かれています。
1938年に日本で制作されたということで、戦前の日本において、探偵物語のようなコメディ要素が交ざった映画が制作されていたことに意外性を感じました。

続いて、『ローレル&ハーディ2本立て 山羊の失恋/リバディ』では、2つの別々の映画を、1つの超大作映画にしてしまうという、活弁士だからこそできる上映方法。

ハラハラドキドキな展開や、思わず笑ってしまいそうになるコメディ要素まで、
バニラさんの「声」と「ピアノ」と「大正琴」だけで、映画の世界観を表現されていました。
活弁士の語りの凄さを実感しました。


バニラさんもお話されていましたが、
同じ映画でも、活弁士の台本と語り方によっては、笑い話になったり、悲劇的になったりもします。あるいは、ミステリー的な要素を交えたり、様々な解釈で映画を見せることができます。
「言葉」や「声」や「音楽」が持つ伝える力を感じました。

そして、今回の公演が行われたのは映画館でも、ホールでもない「村国座」という歌舞伎舞台。
舞台と客席の距離が近く、木の香りが漂う空間で観て聴く映画は、ひと味違う特別な感じがしました。

ホールや映画館などで鑑賞するのも楽しいですが、いつもと違う場所で観るのも面白いものです。
みなさんも機会があれば村国座に来てみてくださいね◎